「取付作業の裏側まで目視確認を可能にしたストライク工法」                資料をダウンロードご希望の方はこちらから

PITDRM協会 技術員 太田裕之(潟nラダ)

○工法の概要

 ストライク工法は、発進基地は、地上もしくは、1500o以上の円形ケーシング立坑。水平から鉛直方向へ推進可能。推進機本体に薬液注入機能を備えており、取付部の止水並びに推進管路部への地盤改良が可能である。本管との接合部は、「ストライク支管」により「可とう性(免震)」「止水性(漏・浸入水防止)」「離脱防止性(耐震)」を備え接続する事が出来る。「圧入方式」の取付管推進工法である。

写真 1:ストライク工法機STM−1535 地上発進状況

○工法の特長

1.        免震、水密性を備えた塩ビ管用特殊支管(写真2、3)

@       屈曲変位15°かつ本管扁平5%の状態で外水圧及び内水圧ともに0.1MPa耐える止水性を持つ。

A       取付管軸方向の変位量+30o、−25oの伸縮性を持つ。

B       取付管軸方向への突出し荷重は、取付管呼び径100は、9.8kN以上、取付管呼び径150は20.6kN以上耐えることが出来る。

C       本管周方向への荷重には、曲げモーメントが取付管呼び径100は690N・m以上、取付管呼び径150は1180N・m以上に耐えることが出来る。

D       上記@〜Cの性能は、1997年版「下水道施設の耐震対策指針と解説」による「レベル1地震動」並びに「レベル2地震動」に対応する耐震性能以上を有する継ぎ手であることを意味する。

E       接続に接着剤を使用しません。本管内側に下ろしたABS樹脂製の「固定ツメ」(写真3)と支管の鞍部で本管を挟み込むことにより支管の鞍部に設置された水膨張性の止水パッキンのみで止水することが出来る。取付作業は、全て発進側から遠隔操作により作業が完了されます。「固定ツメ」の張り出しは、専用カメラで確認しながら遠隔操作することが出来る。(写真4)その後、遠隔操作用「支管ロッド」により、「ストライク支管」本体の「ロックボルト」を数回、回転させて締め付けるのみの簡易な作業である。(特許出願中)


写真 2:塩ビ管用ストライク支管 写真 3:ストライク支管(塩ビ管用)本管側 固定ヅメ
写真 4:専用カメラ本体 写真 5 :専用カメラ操作盤(モニター部)

 

 

2.        省スペースからの発進

0°〜90°の推進角度にて推進可能であり、地上又は作業坑(φ1500の円形立坑)の省スペースからの取付推進が可能である。

3.        据付作業の簡素化

垂直から水平までの推進角度の設定は、微調整付の油圧シリンダーで簡単に変更が出来る。角度固定機構も「ロックナット」で素早く固定完了。

 

 

4.        オーガ併用型圧入方式推進

  掘削方法は、「掘削ビット」による撹拌と「掘削ビット」の先端からの注水により、推進管路部の土質の均一化を行ったあとさや管を圧入して行きます。「掘削ビット」のオーバーカットにより推進力の軽減がなされ、さや管内の掘削土を撤去することなく取付対象本管まで鋼製さや管を到達させることが出来ます。土砂を到達まで撤去しないので切羽部の崩壊による鋼製さや管の偏芯・蛇行の心配はありません。

5.        薬液注入機能装備

地上並びに作業坑内より、全ての推進角度にて薬液注入を施工可能である。

6.        呼び径200o塩ビ本管へ呼び径150oの取付管の接続が可能です。

 「カッターガイド」により塩ビ本管の芯を捉えて固定機能により確実に固定。削孔中の振動でずれてしまう事が無いので、塩ビ本管に長穴を開けてしまう事が無く安心である。更に、「カッターガイド」には、芯を捉えているか判断の出来る確認機能も装備しています。「カッターガイド」が芯を捉えない場合は、さや管引抜き、再度、さや管推進をやり直します。(写真6)

写真 6:固定されたカッターガイド にコアカッターが挿入されるところ

7.        コア回収装置

 簡単な構造にすることにより、故障の少ない回収装置になりました。既設管への取付の際にも安心して施工が行える。(1:特許出願中)

1 :コア回収装置施工チャート

 

8.        止水に欠かせないバリ取装置

 コア抜き作業後のバリ取作業により、塩ビ本管と特殊支管鞍部の密着性を高め止水性

を高めます。

9.        専用ビデオカメラによる確認作業

「カッターガイド」の設置確認、特殊支管取付作業全工程の確認、施工後の漏水の有無の確認の全ての作業を専用カメラで確認しながら施工することにより確実な作業工程の管理が出来る。(写真4、5)

10.    鋼製さや管の再利用 ネジ切加工の鋼製さや管の採用により推進角度90°〜80°の施工の場合さや管を撤去、再利用することが出来る。

11.    適用範囲 土質による適用範囲は、N値30以下の粘性土・砂質土・最大礫径75o以下、含有率30%未満の礫質土である。特に、地下水の高い軟弱地盤や滞水砂層においては、工法機に装着された薬液注入機構によって、安全に施工することが出来る。取付管推進の適用範囲は、(表1、2、3)に記す。

 

 

           表1: 取付管推進延長

取付管「φ150」の場合 取付管「φ100」の場合
塩ビ本管径 推進布設
角度(°)
推進延長
(m)
200 - -
60〜89 5
垂直 6
250 31〜59 6
60〜89 10
垂直 10
300 27〜59 6
60〜89 10
垂直 10
150 - -
塩ビ本管径 推進布設
角度(°)
推進延長
(m)
200 27〜59 5
60〜89 6
垂直 6
250 27〜59 6
60〜89 10
垂直 10
300 27〜59 6
60〜89 10
垂直 10
150 垂直 5

 

 

2 塩ビ管呼び径と鋼製さや管呼び径の組合せ表

鋼管呼び径

塩ビ管呼び径

350

400

100

150

 

       備考 1. ○は推進延長10m以内

           2. 取付管の材質:硬質塩化ビニル管VU管を使用

3 鋼管の単位表

作業立坑

STM1535

STM2040

地 上

600mm

800mm

φ1500

400mm

φ1800

600mm

φ2000

600mm

600mm

 

 

 

12.    施工方法

@       推進設備工:推進方向、発進位置、推進角度を確実に正しく据付ける。

A       取付管推進工:ネジ切り加工の鋼製さや管内に「掘削ビット」を挿入して推進開始。さや管と「オーガロッド」を継ぎ足し取付対象本管まで推進する。

B       地盤改良工:到達部の止水のために薬液注入を施工する。

C       発生土処分工:強力吸引装置により、さや管内の土砂を撤去する。

D       コア抜き工:「カッターガイド」は、専用カメラにより確実に設置出来ていることを確認後、取付対象本管を削孔。コア回収装置によりコアを回収します。仕上げに「バリ取りブラシ」で削孔穴を清掃する。

E       塩ビ管挿入工:バリ取りの完了後、「ストライク支管」と取付管に遠隔操作用の「支管ロッド」と専用カメラを設置してさや管内に挿入する。

F       特殊支管取付工:削孔穴に「ストライク支管」が確実に臨んでいることを専用カメラにより確認後、遠隔装置で「ストライク支管」の「固定ヅメ」を本管内に張出します。支管ロッド」を回転させ「ロックボルト」を回し「固定ヅメ」をリフトさせ本管と「ストライク支管」を固定する。

G       中詰工:さや管内の空隙部分を砂又は、中込注入材で充填する。

H       鋼製さや管撤去工:さや管を地上へと引抜き撤去する。

I       取付管接合部確認工:取付管接合部に漏水が無いか確認後、専用カメラを撤去する。

J       推進機を撤去して施工完了。

 

 

○取付管推進工法の問題点とストライク工法での解決方法

従来工法での問題点

@       特殊支管に塗布した接合剤が取付作業中に、硬化し、特殊支管を設置。本管との接着が出来ず取付部から漏水する。

A       特殊支管に塗布した接合剤が取付完了中に、垂れ落ち本管との接着面にムラが生じた状態で特殊支管を設置。本管との接着不良で取付部から漏水する。

B       特殊支管に塗布した接合剤が取付作業中に、垂れ、片寄った状態で特殊支管を設置。本管内部に接合剤が突出した状態で硬化する。本管との接着不良で取付部から漏水。又は、本管内部を接合剤で汚す。

C       特殊支管をさや管内に挿入中、地山が崩壊、さや管内は、暗く、特殊支管が前方を塞ぐので気付かず特殊支管を設置。土砂を噛んだ状態で接合剤が硬化。本管との接着不良で取付部から漏水する。

D       本管コア抜き作業で、バリ(削りカス)が発生した状態のまま、特殊支管を本管と接着、本管と特殊支管との間に隙間が生じ取付管部から漏水又は、中込め材が本管内に流入してしまう。

 

ストライク工法での解決方法

問題点@、A、Bについて

現場での接合剤の品質管理は、難しく。気温や配合により硬化時間、硬化強度にバラツキが大きく、地上から離れた地中で確実に接合するのには、確実性が非常に低いことから、ストライク工法では、「接合剤」・「止水用無収縮モルタル」などの「原因」そのものを使用せずに、接合する方法(工法の特長Eで述べた。)を採用することで解決した。

問題点Cについて

ストライク工法では、従来工法において特殊支管を地上から挿入し始めてから取付完了するまでの間、接合部並びに、さや管内の状況が目視出来ないことにより事故が発生する頻度が高くなる状況を解決するために、取付専用のカメラを特殊支管先端部に設置することで、さや管内での前方、後方の確認を行い、更に、取付完了まで目視確認が出来る専用カメラを開発採用。取付に不具合な状況が無いか確認して次工程に進めることが出来る。安全な方法を可能にした。

問題点Dについて

 専用のバリ取り装置の使用と専用カメラの確認作業によりコア抜きの施工後のバリの状態も本管内部側とさや管内の本管外部側の両側で確認。そして、特殊支管取付け直前まで、異物の挟み込みが無いか確認することが可能であるから解決することが出来る。

以上のように、ストライク工法は、専用のカメラ採用と、接合剤の使用しない取付方法の採用で確実性の高い、安全な取付作業を可能にした。

 

     施工事例

工事名:某汚水管渠工事

推進延長:37.63(m) 6スパン 

推進角度:39.1°〜77.7°

取付対象本管:HPφ450HPφ800

取付管径:φ100・φ150

鋼製さや管径:φ350(o)

発進基地:地上・φ2000ケーシング立坑

土質条件:砂質土 N値=0〜5

湧水:有り

本現場は、昨年度から施工開始したヒューム管への取付現場であり。塩ビ管同様、「接合剤を使用しない。」「専用カメラで確認しながらの取付作業が出来る。」「耐震機能を備えた特殊支管」のストライク支管ヒューム管タイプを施工した。

 

写真 7:Φ2000ケーシング立坑内の到達部地盤改良状況

現場は、緩い砂質土、取付対象本管はHPΦ800oと大きく、本管にコア抜き工を施工した後に、薬液注入の効果が切れると大事故に繋がるかもしれません。十分にそして、慎重に作業を進めました。

 

写真 8:コア抜き完了(ヒューム管のコアを回収)

ヒューム管のコア抜き工も、塩ビ管コア抜き同様、コア回収装置によりコアを確実に回収しました。

写真 9:ストライク支管ヒューム管用

ヒューム管用ストライク支管もまた、耐震機能を備え、塩ビ管両脇に設置した支管ロッドを数回まわすだけで支管外周部が削孔面に密着ブチルゴムの粘着力により、止水します。可とう性は、屈曲角5°、水平変位±60oを有します。レベル2の地振動に適応した支管を設置します。同時に二次止水として、本管外周面からもブチルゴムにより更に、止水を行います。

 

写真 8:専用カメラによる確認状況

ヒューム管への取付作業も一部始終を専用カメラにより目視確認が出来るので、安心して作業を進められます。

 

 

     今後の課題

ストライク工法は、Φ1500ケーシング立坑の省スペースから耐震機能を備え塩ビ管・ヒューム管・シールドに取付ることが出来ましたが、まだまだ、多くの実績を積む必要があります。そして、今後は、新設管、既設管への取付だけでなく、老朽管のメンテナンスの必要性の高まりから、「老朽管の改築推進施工後の取付方法の開発」に向けても進まなければなりません。そして、更に、「安価であること」「確実であること」「安全であること」を追求して行かなければなりません。最後に、非開削技術の向上と発展の貢献の担い手となる「ストライク工法」にしていきたい。